ビルオーナーが教える入居工事の所要日数の謎

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髙木 秀邦
次世代型出世ビルCEO 東京都府中市出身/早稲田大学商学部卒 信託銀行系大手不動産仲介会社を経て株式会社高木ビル専務取締役へ。 東京都中心に自社ビル・マンションの設計開発~管理運営をおこなっている。 オフィスビルの新たな価値創生を掲げ活動している。 宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/相続士

オフィスの移転に際し、企業の担当者の皆さまはまず候補物件の選定を行い、おおむね希望ニーズに合致するものが出てきたところで、実際にオフィスビルの「内見(=現地見学)」をされることとなります。
本シリーズでは、そんな企業のご担当の皆様・経営者様に、
「内見前に知っておきたい」オフィスビルの選び方・見方、また、オフィスビルの裏側やビルのよっての違いについて「ビルオーナー目線で」お伝えしていきます。

入居工事の所要日数とは

今回は、「入居工事の所要日数」についてお話していきたいと思います。

 

企業移転ご担当者様は、
ご入居するビルが決定し晴れて賃貸借契約が締結されてほっとするのもつかの間、

次は、

新規事務所OPEN日というデットラインに向かって入居工事という大仕事が待っております。

 

ここで、

テナント企業の皆様の一般感覚と、施工業者やビル管理業者の業界感覚と、

最もズレがある点が「入居工事に要する所要日数」だと言えます。

これは、今まで数多くのご入居に立ち会ってきた私の経験上、初期に最も調整を要する点です。

 

入居までの流れ

入居の内装工事にかかわらず、建築工事においては、

設計

見積り

工事発注

着工

完成(引っ越し可能)

と、段階を踏んで進んでいく必要があります。

 

細かく説明いたしますと、

の設計(内装間取り・デザイン・仕様・使用部材)が固まらないと、原則見積もりができませんし、

の見積もり金額に対して、ネゴ交渉等を経て金額合意の上③発注となります。

発注したその日に工事開始ということは現実難しく発注後に部材や設備の手配にかかるケースが多く、

また実際の着工前に共用部分の養生工事にも1~2日所要しますので、その後内装工事着工となります。

という様に、

テナント企業と、デザイン担当業者、施工業者、のキャッチボールを数度経てようやく施工開始となるのです。

例えば、

④着工~⑤完成までの所要日数がたとえ15日だとしても、

その前段の①~③に15日間かかってしまうと、

①~⑤の入居工事にかかる合計所要日数は計30日=1か月と考えなければなりません。

ここで事前の想定が15日として事務所OPEN日を設定していると、晴れのOPEN日を変更せざるをえなくなってしまいます。

 

時に、所要日数短縮のために「①内装プランは固まっていないけど、社内稟議用に②の見積もりを先に出してください」や「②見積りの合意はしてないが、とりあえず③着工だけしてほしい」等とご希望されるテナント様がいらっしゃいますが、日数短縮のご要望は重々理解できますが、業者側としてこれはなかなか難儀なことなのです。

内装工事は、価格固定の商品ではなく、部材や人工(人件費)は特に時期により変動し、内装の設計や設備の変更によっても大きく変動するため、その都度見積り作成には実際数日かかります。また、ある程度の金額の工事になりますと、後の金額変動はトラブルの原因になりますので、しっかりの請負工事の内容が固まらないと業者側も受注できないという実情もあります。

この様な業者側の事情をご入居テナント企業ご担当者様も事前にご理解いただいていると、冒頭に申し上げました事務所OPENのデットラインを超すリスクを事前に軽減できると存じます。

 

しかし、前述のとおり、

この様なことは一般常識ではなく業界常識です。

よって、当然テナント企業ご担当者様が初めからご理解いただいているケースは稀ですし、ご理解なくとも致し方無いことです。

仲介業者をはじめ貸主ビル側・PM会社等は責任をもって、早い段階でテナント企業様へ現実のスケジュール感を含めた正確な情報や見通しをご説明しご理解いただく必要があります。

オフィス移転は、テナント企業と貸主ビルのみならず、多くの関係者が介在し行われるプロジェクトであり
当初から各関係者が綿密にテナント企業様と打合せ・情報共有することがスムースなオフィス移転成功の秘訣となります。

 

ぜひ移転計画中の皆様、

希望のオフィス移転実現の為に、

入居工事の所要日数にご注意しご計画いただくことをお薦めします!

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