オフィス賃貸借契約と民法改正③敷金と保証極度額の関係性

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髙木 秀邦
次世代型出世ビルCEO 東京都府中市出身/早稲田大学商学部卒信託銀行系大手不動産仲介会社を経て株式会社高木ビル専務取締役へ。 東京都中心に自社ビル・マンションの設計開発~管理運営をおこなっている。 オフィスビルの新たな価値創生を掲げ活動している。 宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/相続士

オフィス賃貸借契約と民法改正③敷金と保証極度額

120年ぶりの民法改正。

本シリーズでは、「民法改正とオフィス賃貸借に与える影響」また「そもそもオフィス賃貸借契約に民法規定がどの様に関わっていたのか」など、ビルオーナー視点でお話していきたいと思います。

第3回目は、

「敷金と保証極度額」の関係性についてお話させていただきます。

1回目に、そもそも連帯保証人とは?という点を簡単にご説明させていただきました。

お読いただいた皆様には、連帯保証人には非常に思い責任が負荷されていることをご理解いただいたたと存じます。

一方で、連帯保証人になる際には、保証をする対象の「極度額(いくらまで保証するか)」をあらかじめ書面(または電磁的記録)で定めなければ無効とされるようになったので、際限なく保証責任が発生するようなトラブルは少なくなるのではという効果も期待はできるのではとお感じになられたのではと思います。

 

では今回は、

その「極度額っていくらになるのか?」という点に焦点をあててポイントを整理いきます。

 

ポイント①

極度額の金額設定については、法律上にルールは特段ありません。

つまり、貸主ビルオーナー側と借主テナント企業にて合意して決定することになります。

とはいっても、

実情は貸主ビルオーナー側から一定の条件として当初から契約書に盛り込まれているケースがほとんどです。

 

ポイント②

では、貸主側からはどういった基準で条件として決められているでしょうか?

貸主ビルオーナーは、敷金や連帯保証によってテナント不払いやテナント破産等によるリスクヘッジとしたいわけです。

よって、

「敷金/保証極度額=不払い賃料+原状回復費+違約(損害)金」をおおまかな目安として設定しているケースが多くなります。

 

ポイント③

では、その「不払い賃料+原状回復費+違約金」はどのくらいになるのでしょうか?

実務上では、テナント企業が賃料不払いが発生したら即退去とはなりませんので、退去に至るまでは相当な時間がかかります。

テナント企業の状況や、退去にいたるまでの過程(例えば、裁判上の手続きが必要かどうか)などによって変動はありますが、テナント退去に至るまでは早くても不払い発生~6ヶ月、長期になると12ヶ月以上要してしまうこともあります。

 

ポイント④

原状回復費用とは、簡単に言いますと、テナント企業が事務所内に造作した内装・設備等をすべて撤去し、入居前の状態に戻す工事費用のことです。

これも、造作・設備状況によりますが事務所設備平均で原状回復費用=坪単価5~10万円程度となります。

また、違約金は賃貸借契約内にて設定されておりますが、例えば、中途解約に伴う違約損害金や、賃料不払いにおける遅延損害金、賃貸借解除後の明け渡し遅延による損害金、等が含まれます。

 

以上の①②③④を整理し、

想定設定として、

「賃料100万円の広さ100坪の事務所(原状回復費用坪5万円、違約金賃料1か月分)」とすると、

以下の様になります。

 

貸主がリスクヘッジしたい金額(敷金/保証極度額)

     ||

不払い賃料(賃料6~12か月分:600~1,200万円)

     +

原状回復費(500万円)

     +

違約(損害)金(100万円)

 
     ||

1,200~1,800万円【賃料12~18か月分】

 

となります。

(※上記はあくまで一つの目安であり、実際には各種条件によって金額の増減があります)

 

例えばその場合、

 

「募集条件(例1):敷金12か月+保証極度額6ヶ月(600万円)」

「募集条件(例2):敷金10か月+保証極度額8ヶ月(800万円)」

 

等というケースが想定されます。

 

さて、皆様どうでしょうか。

イメージと近かったでしょうか?

 

上記の様な例をとっても、個人連帯保証人が高額債務を保証するということは一般的にはなかなか高いハードルではないでしょうか。

一方、貸主ビルオーナー側としも、個人連帯保証人から高額な債務を回収することは容易なことではありません。

よって、その双方のリスクを軽減するためにも専門の保証会社を利用する機会が増えてくると考えております。

 

我々出世ビル事務局では、この様な入居時の敷金や保証のご相談を随時受け付けております。

ぜひ、お気軽にご相談いただけましたら幸いでございます。

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