ビルオーナーが教える「エントランス」

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髙木 秀邦
次世代型出世ビルCEO 東京都府中市出身/早稲田大学商学部卒 信託銀行系大手不動産仲介会社を経て株式会社高木ビル専務取締役へ。 東京都中心に自社ビル・マンションの設計開発~管理運営をおこなっている。 オフィスビルの新たな価値創生を掲げ活動している。 宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/相続士

オフィスの移転に際し、企業の担当者の皆さまはまず候補物件の選定を行い、おおむね希望ニーズに合致するものが出てきたところで、実際にオフィスビルの「内見(=現地見学)」をされることとなります。

本シリーズでは、そんな企業のご担当の皆さまに、
「内見前に知っておきたい」オフィスビルの選び方ポイント、オフィスビルの裏側やビルのよっての違いについて、ビルオーナー目線でお伝えしていきます。

エントランスの価値づくり~ビルオーナーが教えるオフィスビル⑪~

今回は、「エントランス」についてお話しさせていただきます。

 

エントランスは言わば「ビルの顔」です。

入居者や来訪者の皆様をお迎えする玄関口です。

エントランスによってビルのイメージは大きく変わります。

以前の記事「ビルオーナーが教えるビル選び 外見編」

でもお伝えしました様に、ビル選びにおいても重要なファクターにもなっております。

 

昨今のビル開発においては設計段階でもこういった意識が高まっており各ビルにおいても様々な工夫がなされてきております。

しかし、特にバブル期の開発などにみられる「とにかく貸床面積を大きくとり、収益力を高める」という設計思想において、
1階はなるべく貸室(店舗)面積に最大限割き、エントランスやEVホールに面積を割いてまで価値を創造しようという動きは少なかったといえます。

当社のビルにおいても、同サイズの最新ビルと築25年ビルではエントランスの面積や設計に歴然と違いがあります。

 

では、築年数の経過した狭くて古いエントランス・EVホールは、価値を上げることができないのか?ということになってしまいますが、決してそうではないと考えております。

 

究極的にはビル1階を大改修してエントランス面積を増やすことは可能です。

ビル全体をリニューアル等実施の際にはぜひエントランス部分を再構築されることをお勧めしますが、
しかし、現在テナント様もご入居しており運営中のビルではその実施はコスト的にも実施手間的にも現実的ではありません。

 

以下、2点を実施することで、デメリットを最小限にとどめつつ、価値を創造することは可能だと考えます。

 

①表面的な部分におけるリニューアルを実施する

前回記事の「ビルオーナーが教えるリニューアル秘策」

にもその手法をお伝えいたしました様に、
効果的なリニューアルを行うことでイメージを一新できます。
私がお勧めする特に効果的なリニューアル部分としては「照明」と「壁紙・壁塗装」です。

この2つについては、
ともに様々な素材やカラーなど豊富な商品・ラインナップから選ぶことでそのイメージを造りやすく、
また、コスト的にも大きいものではないからです。

 

②管理面としてエントランスを再度見直し価値を高める

少しわかりずらい表現になってしまいますが、

「エントランスをいかにきれいに見せるか?」という点を管理運用面から再度見直してみることです。

例えばよく見かけるのが、
エントランスにところ狭しと置かれた「注意書き看板」や「ビル掲示板(作業日程表や通知文等を掲示している)」等があげられます。

どちらも、必要があって設置・掲載されているのことは理解できますが、
その効果とエントランスにおける価値減価を考えるべきであり、それらを撤去することでエントランスをよりキレイで心地よくすることができると考えております。

 

もう少しわかりやすく述べますと、
ビルの清掃作業日程表等の通知文をわざわざ来客者様も通るエントランスに掲示する意味があるのか?という観点です。

「テナント様にお伝えするという」目的を、
「ビルエントランスの見栄えを損なう」デメリットを侵してまで、達成する意味はないのです。

通知文は、各テナント様へ配布するなり、メールを使って有効的に通知することで、その目的は十分達成できます。

 

お読みの方で「そんなの当たり前ですよね」と思われる方もいらっしゃると思いますが、
管理会社の利便のために設置しているという側面もあります。

掲示板があれば「巡回時にそこに張ればよい」ので、巡回管理を請け負っている管理会社が利便のためビルオーナー側に掲示板の設置を求めるケースが多いのです。
(実際に居住物件にて当社が委託した管理会社でも同様に設置しておりましたが、現在は通知掲示場所を変更しました。)

設置の場所を工夫されていたり、おしゃれな掲示板にすることで逆に雰囲気造りをされているケースもありすべての掲示板がデメリットになっているとは思いませんが、その目的・利便性確保のためにエントランス価値を損なってしまっているという本末転倒なケースもよく見られます。

これでは、①以前の問題ともいえます。

 

しかし、裏を返せば

「今すぐ」取り組みを実施し、「今すぐ」改善することもできることなのです。

 

一例として掲示板についてお伝えしましたが、同じような点がビル管理上様々あります。

 

オフィスビルにおいては、管理運営面でまだまだ価値向上(改善)できる余地が多々あり、
特に築年数が古くなり競争力が低下してきているビル等においては、

管理利便よりも「テナント様・来訪者様にとって喜ばれれる」ビルづくりを実践することが、「選ばれるビル」となる鍵であると考えております。

 

皆様、
ぜひ様々な視点からオフィスビルを見ていただき、オフィス探しにお役立てていただければ幸いです!

 

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