ビルオーナーが教えるビル選び 管理人編

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髙木 秀邦
次世代型出世ビルCEO 東京都府中市出身/早稲田大学商学部卒 信託銀行系大手不動産仲介会社を経て株式会社高木ビル専務取締役へ。 東京都中心に自社ビル・マンションの設計開発~管理運営をおこなっている。 オフィスビルの新たな価値創生を掲げ活動している。 宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/相続士

管理人の居るビル?居ないビル? ~ビルオーナーが教える「内見前に知っておきたいオフィスビルの選び方(3)」~

オフィスの移転に際し、企業の担当者の皆さまは仲介業者や移転コンサル業者に依頼し(または独自に)候補物件の選定を行い、おおむね希望ニーズに合致するものが出てきたところで、実際にオフィスビルの「内見(=現地見学)」をされることとなります。

本シリーズでは、そんな企業のご担当の皆さまに、「内見前に知っておきたい」オフィスビルの選び方ポイント、オフィスビルの裏側やビルのよっての違いについて、皆さまが普段は聞けない「ビルオーナー側からの目線」で書いております。

 

「管理人が居るビル」と「居ないビル」について

さて、オフィスビルと一言で言っても規模の大きさや築年数や管理状況など千差万別です。
今回は「管理人が居るビル」と「管理人が居ないビル」について分析していきたいと思います。

まず、

①各階貸オフィス面積(基準階※)200坪以上の大規模なビルには大規模用の管理システムが採用されている場合が多く、管理集中センターなどが配備されていて設備員警備員含め数名の管理人が24時間常駐している場合がほとんどです。

【ここでビル用語豆知識です、「基準階」とは、多層階のビルで、最も多くつくられる代表的な同じ平面プランの階のことです。オフィスビルの場合は、2階以上の中層階が基準階であることがほとんどです。1階はエントランスなどがあり、上層階は建築上の規制から、貸オフィス面積が少ない等平面プランが特殊になります。】

 

逆に、

②基準階50坪以下の小規模のビルは、ほとんどの場合管理人は常駐しておらず、管理方式としては定期的な巡回や各種遠隔方式にて管理しているケースがほとんどです。小規模ビルには「管理室」自体が無い場合も多々あります。

この、①②については、規模やシステムにより有人常駐が「必要か」「不必要か」が明確なためほとんどの場合が上記の様に分かれております。

管理人が居る・居ないが最も混在するのが③基準階100坪前後のビルとなります。

では、そこにどういった違いが生まれるでしょうか?

 

管理人のメリット

管理人が居るビルのメリットは、

有人管理という警備上の安心感や、何か不都合や連絡事項がある場合にすぐに管理人に伝え対処してもらえる、等があげられると思います。この点は、実際にオフィスビル入居後に大きく感じられる思います。

では、単純に「管理人が居ないビル」より「管理人が居るビル」の方が良いか、というと一概には言えません。

それは、ビルオーナー管理側からすると管理人を常駐させるということは、管理コストがかかりますがサービスの提供という意味では付加価値となり、その他の照明空調設備や共用部スペック等と同様に賃料に反映される一因となるからです。

簡単に言うと、テナント企業として「管理人常駐」のメリットよりも、「賃料が安い」方がよいと考える場合もありますので、それはテナント企業側のニーズによって評価されることとなります。

 

昨今は、セキュリティ設備や監視カメラ等が進化しており、遠隔管理にても十分管理することもできるため、管理コストを抑えるために管理人を常駐させないケースも増えております。また、築年数が古くてセキュリティ設備や設計上の問題でビルの開館閉館が有人操作の為、管理人常駐管理をせざる得ないビルもあります。

またこのようなことには、設備などのハード面の要因だけでなく、ビルオーナー側の考え方や、管理会社の都合というソフト面の要因も含まれてきます。

有人か無人かといった管理方式や、各種設備の配備、またリニューアルや設備更新の頻度など、どのようなビル運営をしたいかによって変わってくるのです。

例えば、「可能な限りコストを抑えて集客・収益を最大化したい」と考えるか、
「コストをかけてもより良いサービス・設備を提供しビル付加価値を高めたい」と考えるかによって、オフィスビルは変わってきますよね。

 

例えば、当社髙木ビルにおいて基準階100坪前後のビルはすべて「管理人が居る」有人管理にて運営しております。
当社は、先ほど記載した有人のメリットをビル付加価値として提供したいと考えているからです。
当ビルでは、ほとんどのビル同様、ビル清掃は一日1回早朝(又は夜間)に清掃会社に委託し実施しております。

しかし、特にトイレ・給湯室は朝から晩まで常時テナント様はご利用になられますので、朝一回の清掃では昼過ぎにはすでに水はねやゴミなどで汚れてしまっていることが多くあります。

そこで、当ビルでは管理人作業要綱として、清掃会社の朝清掃に加えて、管理人によるトイレ清掃やエントランス・EV清掃を昼/夕に追加実施することを盛り込んでおります。

非常に細かい例ではありますが、これは「テナント様に常に清潔で気持ちよくトイレ等共用部をご利用いただきたい」という運営理念があるからです。

しかし、当ビルにおいてもセキュリティ設備リニューアル実施を契機に、以前は24時間有人常駐管理としていたビルを「日中有人常駐+夜間機械セキュリティ警備」と変更しました。セキュリティ設備導入による夜間有人管理のテナントニーズ低下や、コスト削減・夜間員の採用困難等の観点から移行いたしました。

この様に、一部常駐や巡回にて必要な部分に必要なサービスを提供する、という方法も良く見られます。

 

以上の様に、今回は「管理人が居る・居ない」というテーマで、当社の例をあげてこの様な管理の違いを考察してみました。

決して、単純に良い悪いという判断ではなく、ビル側がどのように考えて管理方式を選んでいるのか、そして、それを入居企業様側がどう評価しお考えになるか、という点がオフィスビル選びのポイントになるのだと思います。

ぜひ、企業ご担当者様には、内見時に「管理人が居る?居ない?」ということも含めて、

「居る」のであれば、どのような管理・運営を実施されているか?

また、「居ない」のであれば、どのようなセキュリティシステムとなっており、非常時の連絡や対応はどうなっているのか? 等、

希望のオフィス移転実現の為に、一歩深くヒヤリングし、自社ニーズを照らし合わせてご検討してみてください!

経営者でも事業家?なのか投資家?

続・女性目線で見る「トイレ」論

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